入門講義では、「windowsバッチの存在は知っているが使ったことがない」、または「使ったことはあるが基本的なコマンドだけ」といった初心者の方を対象に、windowsバッチファイルの使い方を丁寧に解説していきます。
ある程度のレベルまで理解できるようになれば、その後は自分に必要なプログラムを作っていく中で自然と必要な知識が身についていくようになります。
しかし何も知らない初心者がwindowsバッチの学習を始めるときには、「何から学べばよいのか」、「そもそもwindowsバッチで何ができるのか」など困惑するでしょう。
ここでは、windowsバッチで何ができるのかを知り、実際にプログラムを作りながら学んでいきます。「習うより、慣れろ」がコンセプトです。
本講義を全て終えたとき、あなたは初心者を脱し中級者レベルになっています。
【本サイトについて】
- 対象者 全くバッチファイルを使ったことがない方、もしくはバッチファイル初心者
- 学習方法 実際にバッチファイルを作って覚える
- コンセプト 習うより、慣れろ!
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バッチファイルを使うメリット
バッチを使うメリットは何か?それは、作業を自動化することで、
- 作業効率が格段に上がったり
- ミスが減ったり
- 自分がいない時でも勝手に仕事をやってくれたり
することです。
ワンクリックで、あるフォルダから名前の一部に「2016」とついているファイルだけを見つけて集めてきたり、あるフォルダ内のすべてのファイル名の一部を一括して置換したりすることが可能になります。また、パソコンを使わない帰宅後の夜中に、勝手にバックアップをとってくれるようにすることもできます。使い方次第でこの他にも様々な機能を実現できます。
【バッチを使うメリット】
- その1 作業効率が格段にアップ
- その2 ミスが減る
- その3 自分がいない時でも仕事をやってくれる
バッチファイルの魅力
バッチの最大の長所は「簡単」であるということです。コマンドも簡単です。そして、なによりバッチを使い始めるまでがもの凄く簡単です。
なぜなら、windowsに最初から入っているものなので、インストールの必要が全くないからです。windowsのパソコンを持っているということは、バッチをすぐにでも使える状態であるということです。
インストールに時間をとられて、まったくプログラムを書くところまでいかない、という他のプログラムにありがちな問題がまったくありません。このような利点は他にはないでしょう。
【バッチファイルの魅力】
- その1 プログラムが簡単で学びやすい
- その2 使うまでがすごく簡単
- インストールしなくてよい
- windowsなら既に使える環境にある
バッチファイルを使ってみる
では、windowsバッチファイルを早速使ってみましょう。
「スタートボタン」を押して、「すべてのプログラム」から「アクセサリ」の中の「コマンドプロンプト」をクリックして下さい。
すると以下のような黒い画面が現れたと思います。これをコマンドプロンプト画面と言います。
コマンドプロンプトにコマンドを打ってコンピュータに指示を与えます。
1 |
echo HELLO WORLD! |
と打って「Enter」を押して下さい。 「HELLO WORLD!」と表示されたと思います。「echo」というコマンドは「右側に打った文字を出力する」というコマンドでした。 正常に表示できた方はバッチファイルを使える環境が既にあるということです。 windowsユーザーであれば、必ずできるはずです。
閉じるには、
1 |
exit |
とタイプし「Enter」を押します。
バッチファイルを使いやすい環境を整える
まずはバッチファイルを使いやすいようにパソコンの環境を整えていきましょう。もう一度「スタートボタン」を押して、「すべてのプログラム」から「アクセサリ」にいきます。
ここで、コマンドプロンプトを右クリックして「コピー」を選んで下さい。そして、デスクトップ上で「右クリック」から「貼り付け」を選びます。
以下のようなコマンドプロンプトのショートカットアイコンがデスクトップにできたと思います。
続いて、「バッチ練習」というフォルダをデスクトップに作りましょう。そのフォルダの中に、「第1章」というフォルダをさらに作ります。
フォルダ「第1章」に入り、「右クリック」から「新規作成」、「テキストドキュメント」を選択します。すると、「新しいテキスト ドキュメント」というファイルができたと思います。
ここで、ファイルの拡張子を表示する設定に変更します。左上にある、「整理」から「フォルダーと検索オプション」を選択します。「表示」タブにし、「詳細設定」の「登録されている拡張子は表示しない」のチェックを外して下さい。
最後に「適用」ボタンを押してから「OK」ボタンを押して終了です。するとファイルの表示が「新しいテキスト ドキュメント.txt」ように変わったと思います。
この「.txt」の部分を拡張子と言いファイルの種類を表すものです。(※ここで説明した拡張子の表示方法はwindows7のものですので、windows10など他のバージョンを使用している方は少し設定の方法が異なるかもしれませんので、別途お調べ下さい。)
ここまでの操作で、以下のような画面になっていれば正しく設定できています。
バッチファイルを作る
このファイルをバッチファイルに変えていきましょう。ファイルを「右クリック」し「名前の変更」を選んで「test.bat」という名前に変えて下さい。警告がでると思いますが、「はい」を押して許可します。
これでバッチファイルになりました。拡張子「.bat」がこのファイルがwindowsのバッチファイルであることを表しています。
それでは、ファイルの中身を編集していきます。「右クリック」から「編集」をクリックします。
ここで、注意するのはファイルをダブルクリックしてはいけないことです。通常のファイルであれば、ファイルを開くときダブルクリックで開く場合もあると思いますが、バッチファイルの場合はダブルクリックはファイルの実行を意味しますのでファイルは開きません。必ず、「右クリック」から「編集」を選んで下さい。
すると、メモ帳が立ち上がったと思います。ここに、
1 |
echo これはtestです。 |
と打ったら、「ファイル」から「上書き保存」して下さい。
続いて、このバッチファイルを実行するためのコマンドプロンプトをこのフォルダに準備します。
コマンドプロンプトのアイコンは既にデスクトップにあると思いますので、これをコピーして「第1章」の下に貼り付けます。
ここで、一工夫。コマンドプロンプトを右クリックして「プロパティ」を選択して下さい。「Command Promptのプロパティ」が開いたと思います。「ショートカット」タブの「作業フォルダ」の欄を空にします。
こうすることで、コマンドプロンプトが置いてある場所でコマンドプロンプトを開けるようになります。(※ここは意味不明でも大丈夫です。気にせず進みましょう。)
「適用」して「OK」を押します。
作成したバッチを実行する
作ったバッチを実行しましょう。
コマンドプロンプトをダブルクリックして開きます。以下のコマンドをコマンドプロンプトに打って「Enter」を押して下さい。
1 |
test.bat |
「これはtestです。」とコマンドプロンプト上に表示されれば成功です。
ここまで、windowsバッチファイル作成し、実行するまでの一連の基本動作になります。
第1章のまとめ
第1章はバッチファイルを使う環境を整え、バッチファイルの作成からコマンドの実行方法までの一連の操作を学びました。
【入門講義 第1章のまとめ】
- その1 バッチファイルの使用環境を整えた
- その2 バッチファイル作成からコマンドの実行までの一連の流れを学んだ
なにか不明な点やうまくいかない場合は、「お問い合わせフォーム」からお気軽にお問い合わせ下さい。
次章ではバッチファイルで二つのファイルを比較するプログラムを作りながら、コマンドとオプションについて学びます。
私はWindows10ですコマンドプロンプトを使ってプログラムを組むもうと思ったのですが、コマンドプロンプトのプロパティでリンク先を削除できませんでした。どうすればいいですか。
ありがどう
test.batの文字コードがUTF-8だったため、test.batを実行しても「これはtestです。」と表示されませんでしたが、文字コードをANSIに変更することで解決しました。
Windows 10の大型アップデート「Windows 10 May 2019 Update(May 2019 Update)」にて、メモ帳の文字コード既定値がUTF-8に変更になっているため、2019年5月以降に実施されるかたは同様の事象が発生するかもしれません。
追伸
15章まで受講完了しました。大変わかりやすくかったため、サクサク進められました。ありがとうございました。