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アイコン化するメリット
ショートカットアイコンを作ってコマンドやバッチファイルをいつでも利用できるようにしておくと、ダブルクリックだけでそのプログラムが実行できるため非常に便利です。
もっとも一般的なのは、バックアップバッチをアイコン化してデスクトップに置いておき、パソコンの電源を落とすときに実行することでしょう。
バッチファイルには、バックアップコマンドと同時にパソコンのシャットダウンの指示も記述しておけば、パソコンを切るときはそのアイコンをダブルクリックして席を立つことができます。処理終了後にパソコンの電源を切るようなバッチファイルの作り方は、「処理終了後にシャットダウンする -やりたいことから検索-」に詳しく解説しています。
バックアップ処理以外にもよく使用するバッチ処理をアイコン化しておけば、かなり作業の効率化が図れるでしょう。
ちなみに、以下の画像などはWindows7の画面ですが、Windows10など他のバージョンでもほとんど同様の手順でアイコン化が可能です。
コマンドをアイコン化する
まずは、バッチファイルではなくコマンドをアイコン化する例を紹介します。
デスクトップ上を右クリックして、「新規作成」から「ショートカット」を選んで下さい。すると、以下のようなウィンドが現れます。
「項目をこの場所に入力してください」という欄に、行いたいコマンドを入力します。ここでは、デスクトップに「file.txt」というファイルを作る以下のコマンドを入力しました。
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cmd.exe /c type nul > C:\Users\ide\Desktop\file.txt |
ここで、注意すべきは、「cmd.exe /c」が先頭に必要であるという点です。コマンドプロンプト上では「type nul > file.txt」だけでも実行可能ですが、ショートカットアイコンにするときは、付けなければいけません。
ちなみに、パソコンの電源を切る「shutdown」コマンドなどは「cmd.exe」がなくても、直接書き始めることが可能です。その違いは「外部コマンド」であるか「内部コマンド」であるかの違いのせいですが、ここでは詳しくは言及しません。
とにかく全てのコマンドに「cmd.exe /c」を付けていれば安全です。
また、ショートカットへ設定するファイルは必ず「絶対パス」で書いて下さい。上記の例で単に、
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cmd.exe /c type nul > file.txt |
と書くとうまくいきません。
これは、アイコンはデスクトップ上にありますが、実際の実行はデスクトップではなく別の場所で行っているからです。単にファイル名を書いてしまうと、その実行している場所でファイルを作ろうとしてしまいます。
では、設定を続けましょう。コマンドを入力後、「次へ」ボタンを押します。
続いて、ショートカットの名前を決めます。自由に付けましょう。ここでは、「空ファイルの作成」と名付けました。
入力した後、「完了」ボタンを押せば終了です。
デスクトップ上に以下のようなアイコンができています。これが入力したコマンドのショートカットアイコンです。
試しにダブルクリックして実行してみます。すると、デスクトップに空ファイル(file.txt)ができました。
バッチファイルをアイコン化する
バッチファイルをアイコン化するときも同様です。基本は前節のコマンドの場合の手順に従って作成します。
まずは、アイコン化するバッチファイルを作りましょう。今後、様々なバッチファイルを作ることを想定し、呼び出すバッチファイルは決まった場所にまとめておいた方がよいでしょう。私の場合は、「Cドライブ」の下に「batfile」というフォルダを作ってその中にアイコン化するバッチファイルを置いています。
この中にテスト用として、今回も空のファイルを作るバッチファイル(make_nul_file.bat)を作ります。以下は、バッチファイル「make_nul_file.bat」に記述するコードです。
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@echo off type nul > C:\Users\ide\Desktop\file.txt |
バッチファイルの内容は、コマンドのときのように「cmd.exe /c」は必要ありません。ただし、ファイルなどは絶対パスで記述しましょう。
続いて、ショートカットアイコンを作ります。デスクトップ上で「右クリック」→「新規作成」→「ショートカット」を選択します。ショートカットの作成ウィンドが開くと、今度は「項目の場所」にバッチファイルのある場所を絶対パス(C:\batfile\make_nul_file.bat)で指定します。
「次へ」を押し、ショートカットアイコンの名前を入力します。「空ファイルの作成(バッチファイル)」としました。
入力後、「完了」ボタンを押して終了です。デスクトップには、以下のようなアイコンが出来上がりました。
実行すると、デスクトップ上に空ファイル(file.txt)が作成されます。
実行結果をみるためコマンドプロンプトを残す
ここまで行った例は、デスクトップにファイルを作る操作でした。次は、コマンドプロンプト上でメッセージを表示する操作を作ってみましょう。
まずは、バッチファイルからです。以下を書き込んだバッチファイル(message.bat)を「C:\batfile」の中に置きます。
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@echo off echo メッセージを表示 |
前節で示した通りに、このバッチファイルへのショートカットアイコンを作って実行します。
すると、一瞬だけコマンドプロンプトが立ち上がり消えてしまいます。表示を確認するにはコマンドプロンプトを消さずに残しておく必要があります。それには「pause」コマンドを「message.bat」の最後に付け加えればよいでしょう。
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@echo off echo メッセージを表示 pause |
実行すると、今度はメッセージを確認できました。
次は、ショートカットに直接書くコマンドの場合です。メッセージを表示するコマンド自体は、「項目の場所」に、
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cmd.exe /c echo メッセージを表示 |
と入力すればよいでしょう。
しかし、これを実行すると、やはり一瞬でコマンドプロンプトが消えてしまいます。処理終了後もコマンドプロンプトを消さずに残しておく必要があるときは、「cmd.exe /c」の代わりに「cmd.exe /k」を使用します。
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cmd.exe /k echo メッセージを表示 |
「/k」はコマンドプロンプトを閉じずに残しておくオプションです。
これでメッセージが確認できました(下図)。
作った後のショートカットのコマンドを変更する
すでに作ったショートカットアイコンの動作を変更したい場合を考えます。
バッチファイルであれば、呼び出しているバッチファイルの中身を変えればよいでしょう。
コマンドを入力している場合は、ショートカットアイコンを「右クリック」して「プロパティ」を選びます。「ショートカット」タブの「リンク先」の欄に入力したコマンドが書いてあるので(cmd.exeは絶対パスで示されています。)、このコマンドを編集して「適用」ボタンを押せば変更可能です(下図)。
アイコンの画像を変更する
ショートカットを作った後は、アイコン画像を操作にあったものに変更しておくと他のアイコンと区別しやすくなります。
アイコン画像の変更方法については、「バッチファイルのアイコン画像を変える -やりたいことから検索-」をご覧下さい。